弁護士紹介

代表弁護士・成城大学教授・博士(法学)
Attorney at law, Professor in Seijo University Law Faculty
山田 剛志 -東京弁護士会所属-

山田 剛志

ご挨拶と取扱事件

私は、商事事件(企業法務、株主対策、債権回収など)や、共同研究をめぐる特許紛争などの大学研究者に関する法律問題、また相続問題(相続人間の争いを含む)や意思能力をめぐる紛争を取り扱ってきました。最先端の研究成果を活用し、事件解決に取り組んでおります。
また、研究面では、商法、特に会社法と金融法(企業買収、金融取引、銀行、証券など)に多くの業績があります。会社法の分野ではアクティビズム対応や買収防衛策、取締役の注意義務に関する研究を行っており、金融法では銀行取引や企業情報開示の法制度について、アメリカやEUの制度と比較研究しています。DX化の進展により、銀行、資金決済業がどう変わるか、さらに近年重視される経済安全保障の論考も発表しています。
公正な取引と公平な資本市場の実現を目指し、先端的な研究(株主との対話、SDGs等)と実務を結びつけた法律サービスを提供します。

代表弁護士の経歴

2024年現在、日本瓦斯株式会社社外取締役、株式会社トップカルチャー社外監査役をさせて頂いております。これまでに新潟簡易裁判所調停委員、新潟県庁県有財産証券化審議会委員、同PFI審議会委員、村上市議員定数等検討委員会委員長、日本証券経済研究所・金融商品取引法研究会委員等を歴任しました。また、非上場会社の社外監査役も複数兼任しています。特に企業法務、資本市場の実務には、多く関与しています。

学歴・留学歴

新潟大学法学部卒業後、銀行員を経て、一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得。その後、青山学院大学で論文博士(法学)。

  • 1997年9月ドイツ・チュービンゲン(Tübingen)大学在外研究
  • 2000年~2001年アメリカ・コロンビア大学ロースクール客員研究員(Visiting Scholar)
  • 2011年論文博士(法学、青山学院大学)。博士論文『金融自由化と顧客保護法制』(中央経済社、2009年)

主な職歴

  • 地方銀行員、1996年新潟大学助教授・准教授を経て、2010年~成城大学法学部教授。
  • 1999年9~11月カナダ・アルバータ(Alberta)大学客員教授(Visiting Professor)・環太平洋講座(Pacific Rim Law)担当
  • 2004年弁護士登録(新潟弁護士会)、2010年東京弁護士会に登録換え。
  • 大手弁護士事務所客員弁護士等を経て、2020年3月に弁護士法人日新法律事務所設立。代表弁護士に就任。

学会等

日本私法学会、金融法学会、日本協同組合学会

研究活動分野

1.企業法務関連

1)会社法の基本書(共著)を出版しました。
・山田剛志他『コアテキスト会社法』(新世社、2020年)
令和2年改正会社法の内容を含め、会社法の制度を非常に分かりやすく説明しております。企業の法務ご担当の方に、会社法の全体像を掴むために、また最新の論点を理解するため、一読頂ければ幸いです。

2)株主総会とアクティビズム、IR/SR活動、ESG・SDGs投資などを研究しています。
2019年2月27日東京大学第58回比較法政シンポジウム「グローバル・ガバナンスの実務と最新諸論点―日本企業の国際競争力強化に向けて―」に招聘され、「ヘッジファンド・アクティビズムの隆盛と株主の権利」について講演を行い、その内容は山田剛志「ヘッジファンド・アクティビズムの隆盛と株主の権利」『旬刊商事法務』2199号26-34頁に掲載されました。株主アクティビストに関する基本的な知識については、以下の論考をご覧ください。
山田剛志=井上健(当時バークレイズ証券)「わが国におけるヘッジファンド・アクティビズムに対する法的対応と課題(1)~(10)」(商事法務ポータル)(2018年4月23日〜5月9日)
今後ますます「上場企業と株主との対話」が重要になりますが、実務にフィードバックできるように研究を続けております。

3)近年増えています敵対的買収について、「取締役会決議による買収防衛策と不公正発行〜差別的取得条項付き新株予約権無償割り当てを中心に(上)(下)」『金融・商事判例』1358号2頁、1359号2頁を書いています。また最近の論点も踏まえて、判例理論の展開をフォローしております。

2.金商法関連

1)金融商品取引法の基本書(共著)山田剛志他『金融商品取引法の基礎』(2018年、中央経済社)を出版しました。最新の論点が網羅されています。

2)個別の重要な問題については、日本証券経済研究所・金融商品取引法研究会(会長 神作裕之東京大学大学院法学政治学研究科教授)において、「証券会社の破綻と投資者保護基金 〜金商法と預金保険法の交錯」(2015年)、「格付会社への規制」(2012年)、「金融機関の説明義務と適合性の原則」(2009年)、「近時の企業情報開示をめぐる課題」(2005年)のテーマで報告を行いました。その後各論文は、金融商品取引法研究会編『金融商品取引法制の現代的課題』(日本証券経済研究所)他に所蔵されました。

3.金融法関連

1)「Fintech 法からみる銀行業務の将来(1)-(6)」を『ビジネス法務』(2018年3月号〜8月号)に連載しました。DX化が進展する中で、銀行業務はどう変わるか、法的に説明した論文です。

2)山田剛志他編『AI・DXが変える現代社会と法』(2021年、商事法務)において、「金融業務のIT化とデジタル法貨・日銀システム」を執筆しました。国民に日銀口座を開放し、日銀決済口座はマイナンバーにリンクさせ、デジタル法貨(現在は中銀デジタル通貨:CBDC)を利用する方が、取引履歴が明快になり、マネーロンダリングができにくくなると結論付けました。また地方銀行の業務がどうなるかについても、論述しています。

3)上記の論旨は、「国民の日銀口座保有検討を 中銀デジタル通貨の課題」として、2020年11月5日日本経済新聞『経済教室』にも掲載されました(同内容は日本経済新聞WEB版にも掲載されています)。その続編として「中銀デジタル通貨の展望 下 「直接型」導入で決済無償化を」が2024年9月6日日本経済新聞『経済教室』にも掲載されました(同内容は日本経済新聞WEB版にも掲載されています)。

4.大学・企業共同研究関連

主に大学研究者の側で複数の事件を扱い、その経験から新書『搾取される研究者たち 〜産学共同研究の失敗学』(光文社、2020年)を出版しました。大学関連の特許訴訟等、アカデミック・ハラスメント、ポストドクター雇用の問題がテーマです。

その他対外活動

書籍

論文

  • 「中銀デジタル通貨の展望 下 「直接型」導入で決済無償化を」(2024年9月6日日本経済新聞『経済教室』)
  • 「経済安全保障における金融安全保障の現状と課題」『NBL』1264号(2024年4月15日)
  • 「株式市場の欠陥でアクティビストが不当な利益を得る!?」『中央公論』24年5月号
  • 「実質株主の日々開示が不可欠 日本企業、統治の課題」(2023年4月6日日本経済新聞『経済教室』)
  • 「アクティビストと情報漏洩(上)(下)」(共著、旬刊商事法務2304、2306号) 2022年
  • 「上場企業と株主・投資家との対話の実態と規制への法的視座(1)(2)(3)-株主・投資家との対話に関する上場企業アンケート調査からの考察-」(旬刊商事法務2268~2270号) 2021年
  • 「国民の日銀口座保有検討を 中銀デジタル通貨の課題」(2020年11月5日日本経済新聞『経済教室』)
  • 「ヘッジファンド・アクティビズムの隆盛と株主の権利」(旬刊商事法務2199号26-34頁) 2019年
  • 「わが国におけるヘッジファンド・アクティビズムに対する法的対応と課題(1)~(10)」(共著、商事法務ポータル)(2018年4月23日〜5月9日)
  • 「Fintech 法からみる銀行業務の将来(1)-(6)」(ビジネス法務 2018年3月号〜8月号)

主に2015年以前の論稿についてはこちら
※CiNiiに100本弱の論稿等が登録されています。

講演等

・金融財務協会セミナー「企業価値を上げるIR・SRの理論と実践〜株主との対話の実態と対策」(2024年3月28日)(主要な論点は以下の通り) コーポレートガバナンス・コードが施行され、株主との対話ガイドラインが改訂された。その結果、株式持合が解消され、過半数が浮動株の上場会社も多い。講師の調査によると、上場企業約3800社の中には、IR(Investor Relations)専門の部署がなく、自社の実質株主も知らず、株主に求められたら面談して、開示しない企業が3割程度いると推計される。つまり、多くの上場会社は、株主との対話(エンゲージメント)を有効活用していない。2024年は、株主の中にアクティビストやESG投資家からの面談要請も多い。上場企業は、これらにどう対応したら良いだろうか。さらに、アクティビストから株主提案が出たり、ESG投資家の提案に議決権行使助言会社から、賛成推奨がでたらどうすれば良いだろうか?

講演等

上場企業は、資本市場の声を聞き、会社として真摯に対応し、投資家や市場に向けて情報発信をするという意識が必要だ。本講座では、上場会社の役職員等、IR担当部署、総務部にむけて、株主総会対策だけでなく、株価を含む自社の企業価値を上げるための「攻めのIR・SR(Shareholder Relations)のための理論と実践方法」をお伝えする。

・MARR[座談会]「M&A関連法制と実務の最新動向[2021年版]「~サステナブルな資本主義と上場企業法制上の諸論点」 [対談・座談会] (武井一浩=石川 真衣=松井 秀征らと対談)MARR2021年12月号326号(2021/11/10)

・MARR[座談会]「2019年の企業法制の振り返りと論点~グループガバナンス指針/MBO指針/ヘッジファンド・アクティビズム他」[対談・座談会] (武井一浩=石崎泰哲=三和裕美子らと対談)MARR2019年12月号302号(2019年11月15日)

・金融財務協会セミナー「ヘッジファンド・アクティビズムへの上場会社の対策と課題~貴社はアクティビスト・ファンドにどう対峙すべきか~」(2019年3月12日)

・東京大学第58回比較法制政シンポジウム「グローバル・ガバナンスの実務と最新諸論点―日本企業の国際競争力強化に向けて―」において、「ヘッジファンド・アクティビズムの隆盛と株主の権利」について講演(2019年2月27日)

・福岡工業大学「企業との共同研究を巡る法律問題」セミナー講師(2017年9月17日)

・「パネル・ディスカッション 日本における買収法制:分析と展望」(石綿学=神田秀樹=ジャック・ジェイコブス=藤田友敬=カーティス・ミルハウプト=田中亘とのパネルディスカッション)東京大学『ソフトロー研究』13号151-190頁(2009年2月) 

他、個別企業・団体の依頼による内部向け講演・研修も多数。

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